クラヴィアシューレ通信

アコースティックピアノと電子ピアノの違い-1.構造上の違い-

ご入会された生徒様から直ぐにお尋ねいただくのが「ピアノは購入する方がいいかどうか?購入する場合はアコースティックピアノ(本物のアップライトピアノかグランドピアノのこと)か電子ピアノ(デジタルピアノ)どちらが良いのだろうか?」です。

クラヴィアシューレでは原則宿題はありませんが、生徒様が宿題があって、率先してご自宅等でも練習したい場合、やはりピアノが必要になります。

その際、やはり電子ピアノとアコースティックピアノ、どちらで練習するのが生徒様に適しているのかを考えることになります。

 

今回から4回に渡り、両者の違いをご説明したいと思います。

1.構造上の違い

2.価格

3.音、演奏に関して

4.メンテナンス及び長期間所有

今回は 1.構造上の違いをご説明いたします。

まず、音の発生方法が全く違います。
ピアノの歴史で明記しましたように、アコースティックピアノは弦をハンマーが叩いて発音する仕組みでした。電子ピアノはその部分を全て取り払って、サンプリングや音源合成技術を用いて音を生成します。つまり、発生源が異なります。アコースティックピアノは打楽器的な鳴り方ですが電子ピアノは「信号」によって音が鳴る仕組みです。

アップライトピアノ(アコースティック楽器)

電子ピアノ

こちらの写真をご覧いただくと鍵盤上部がアコースティックピアノ(今回はアップライトピアノ)にはありますが、電子ピアノにはありません。弦、ハンマーのあるアクション部分が部分が無い為ですね。

次に音の質を考えると、アコースティックピアノはアクション部分で発音しますが、共鳴板(アップライトピアノは背面の板、グランドピアノはボディ本体下方を支える板)に伝わり音を増幅させ、更にピアノ全体で響かせる機能があります。そのため、豊かで自然な倍音質があります。 楽器全体が共鳴している、と考えるとわかりやすいでしょう。そのため、個々のピアノによって、モデルが同じでも、少しずつ音の質が違います。
一方、電子ピアノは生ピアノの音色に似せて作られ、スピーカーから或いはヘッドファンやイヤホンから聞こえる仕組みです。そのため、モデルが同じであれば画一化されて同じ音の質となります。また、アコースティックピアノと同じクオリティーには到達しません。

最後に音量面から考えると、アコースティックピアノは打鍵の強弱によって音量が変化しますが、電子ピアノはボリュームに機能で音量を調整することができます。アコースティックピアノは音そのものの大きさ、電子ピアノはスピーカーから出てくる全体的な音量、という感じでしょうか。また、アコースティックピアノは音量レンジ(幅)が広く、奏者によって表現出来る幅大きく付けられる、と考えてもいいでしょう。

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