クラヴィアシューレ通信
ピアノを弾く上で避けては通れないのが楽譜ですね。
この楽譜はどのように考え、捉え、演奏していけばいいのでしょうか?
今回は出版されている楽譜の指番号・アーティキュレーション・強弱について考えたいと思います。
手持ちの楽譜からいくつか例を挙げていきます。
音符の上や下に数字が見られます。
これは指番号なのですが、親指から小指に向かって1〜5の数字が充てがわれます。
写真は 「Invention 1 BWV 772」J.S.Bachの冒頭部です。(音楽之友社・野平一郎解説)
1小節目の3拍目「ソ」がでは2(人差し指)ですね。(赤丸の所)
では次は学研・鵜崎康一解説の冒頭部分。
こちらは5(小指)です。
なぜこんな事が起きてくるのでしょうか?
端的に言ってしまうと、出版社(編集者)の考え方や弾き方が影響しています。
このように違いがあると、どうすればいいのか迷ってしまいます。
手の大きさ、指の長さを考えると、大人の手と子供の手では倍以上違う場合もありますし、女性男性でも差があります。
そう考えると、決して楽譜の指番号に忠実ではなく、人によって指番号を変えても良く、記載の番号はあくまでも目安、と考えるのが妥当では無いでしょうか?
バロック(1600年〜1750年)の作曲家は通常アーティキュレーション、強弱記号、フレージング(スラー)は書かない事が殆どですので、こちらも出版社が独自に入れています。
有名な「メヌエット」ぺツォルト(伝バッハ)BWV Anh.114の楽譜を見てみましょう。
こちらの楽譜(音楽之友社・ピアノ名曲120選初級編)では、原譜に比較的近く、アーティキュレーション・強弱は入っていません。
こちらの楽譜(全音楽譜出版・プレインベンション)になると、アーティキュレーション・強弱、更に速度表記もされていで、かなり音楽が固定された印象になります。
どうしてこのような楽譜が出版されるのかですが、「演奏する人が迷わないため」と言うのが妥当でしょう。
特に、子供や初心者の方は弾くのに精一杯になってしまうことが多く、アーティキュレーション・強弱などは二の次になりやすいですね。
書かれていない楽譜では音楽経験の少ない方にとっては想像もつかない場合が多いようです。
このように考えてみると、バロック時代の曲は楽器がまだ現在のピアノになる前であり、固定された演奏では無いため、アーティキュレーション・強弱などは演奏者が柔軟に考えて良いのでは無いでしょうか。
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